大切な歯を失わないために
歯は人の体でいちばん硬い組織ですが、その歯の根の中には俗に「シンケイ」と呼ぶ「歯髄(しずい)」という軟らかい組織があり、顎の骨の中にある神経や血管につながっています。
この歯髄が、むし歯などで細菌に感染された場合に歯がとても痛んだり、歯肉が腫れたりします。
このようなときに、歯髄の一部や全部を除去して歯を残すように治療をしなければなりません。
この治療は「歯の根の治療」や、歯を支える根にある「根管」と呼ばれるところの処置なので、「根管治療」と呼ばれています。
当医院では、CT画像診断や歯科用顕微鏡マイクロスコープを使った最新の「根管治療」が受けられます。
根管治療の流れ
1. 感染してしまった歯髄をとるための穴をあけます。
その穴からファイル・リーマーと呼ばれる針の先にやすりが付いた道具を差し込み、感染した歯髄をゴシゴシと削り取ってキレイにしていきます。
2. 仮のふたをして、また次回の根管治療まで待ちます。
歯の根はとても複雑な形をしているので、何度も何度も丁寧に削り取ります。
歯科医師にとっても根気と時間が必要になります。
3. 歯の根の中がキレイになったら、バイキンが再び入りにくいように、「根充材」と呼ばれる材料をしっかり詰めて根管治療は終了です。
この後、土台やかぶせ物をつくっていきます。
素材 | 説明 | 価格 |
---|---|---|
メタルコア (銀合金) |
健康保険適用の材料の場合、1000円程度と経済的ですが、 腐食や金属アレルギーが気になります。 |
1000円程度 ※保険適用の材料の場合 |
ファイバーコア | 色や硬さ(弾性)が象牙質に近く、噛んだ時の歯に加わる負担が軽くなり、歯が割れにくくなります。 | 2万円 |
根管治療の注意点
治療後にはれたり、痛む場合があります。
神経を取ったり、感染した歯を治療していますので、一時的に炎症が強くなる場合があります。
歯が浮いた感じがしたり、噛むと痛みがあったり、鈍痛が少し続いたりします。
痛みがあるときは、根の中の消毒などの処置をしますので、いつでもご来院ください。
※歯の状態が悪い場合には抜歯の可能性もあります。
治療回数・治療日数が必要です。 ※1~2カ月以上かかることもあります
歯の根の中の清掃と消毒を繰り返し行います。
膿がなかなか止まらなかったり、根の中の拡大に時間がかかる場合があります。
歯の根の治療費は1回につき300円程度(3割負担、3根管、1歯の場合)です。
お薬の交換だけで終わる場合もあります。
仮の詰め物が欠けたり、外れる場合があります。
来院していただき、再度仮の詰め物(蓋)をいたします。
大きな症状がなければ次回の予約までそのままでも大丈夫な場合もありますが、
痛みが強い場合やお薬の味が気になるなどの場合は、必ず早めにご連絡ください。
治療中の部位でのお食事はできるだけ控えてください。
歯が欠けたり、歯の根が割れて抜歯になることがあります。
また、強く噛むと痛みがある場合があります。
歯が割れないように、噛めるように最終的にはかぶせ物をします。
奥歯の場合、保険治療では最終的に金属の歯をかぶせます。
見た目・審美性を気にされる方や金属アレルギーが気になる方は保険外の本来の歯の色に近いセラミックのかぶせ物があります。